フランチャイズ加盟店の利点と問題点。自分らしい独立開業の幻想とは

「フランチャイズに加盟すると簡単に儲かる。」
「自分らしい独立開業が出来て、家族もあなたもハッピー。」
「第二の人生は自分で選べ!」
こんなキャッチフレーズが定番ですが、本当にフランチャイズ加盟店は最高の選択肢なのでしょうか?
今回は、ちょっと言いにくい話を、私の経験からお話していきたいと思います。
目次
1: 40代サラリーマンの悩み
2: フランチャイズの利点とは
3: フランチャイズの問題点
4: 幻想にするか儲けるか
5: 本当に縛られない独立とは
6: まとめ
1: 40代サラリーマンの悩み
サラリーマン(会社員ですね)が40代に入ると一度は悩みます。
「このまま会社に勤めていて意味があるのだろうか」
とか
「いつまで上司の言うことに従わないといけないのか」
とか
「勤めているよりも自分らしい仕事をやった方が楽しいかも」
こんなことが頭をかすめると思います。
他には、
「いったいいつまで満員電車に乗らないといけないんだ」
「同僚や後輩の尻拭いは、もうゴメンだよ」
こんな人もいらっしゃることでしょう。
そして、新しい生き方を探した結果「フランチャイズ」に行き着いた。
そんなあなたが、今、この記事を読んでおられるのかなと思います。
そこで、
ネットでサラリーマン以外の働き方を探すと
- カフェで独立
- カレーで独立
- 学習塾で独立
こんなのが出てきます。
で、よくよく見ると、フランチャイズなんですね。
そしてフランチャイズに興味をもって調べていると、
『簡単すぐに儲かる!』
ようなイメージになっています。
これは雑誌やネットだけでなく、説明会でも同じです。
だから、退職金をつぎ込んで、借り入れを行ってまで
『やろう!!』
という行動になるのでしょう。
でも、本当にそうなんでしょうか・・・。
私の経験とFC加盟店オーナーさんへのアドバイス経験から考えると、「儲かる」には最初にFCの利点と問題点を知っておくことが大切です。
(フランチャイズの意味と仕組みについてはこちらをご覧下さい。)
2: フランチャイズの利点とは
フランチャイズには、独自で起業する場合とは違う利点があります。
それはどんなことかと言いますと、
「自分で全部準備しなくてもいい」
ということです。
やってみるとわかるのですが、ゼロから起業を準備するのは、パワーと時間と費用が必要です。
特にパワー(情熱でしょうか)が必要。
だから時間が経てば立つほど、情熱が冷めていく。
そして、気づくと「起業」をあきらめて中途半端。
こんな結果になりやすいです。
でも、フランチャイズだと、こんな面倒な準備を本部が用意してくれています。
すぐにお店や仕事が立ち上げられるように、パッケージが存在しているので、その通りにやるだけでOK。
このパッケージが「契約料」という名前で販売されている。
そんなイメージを持ってもらうとわかりやすいでしょうか。
- お店の立ち上げ
- 接客の方法
- 仕事のやり方
プラス、本部SVによる相談。
SVへ相談が出来るのは、フランチャイズの大きなメリットです。
「へっ?相談が?」
と思うかもしれませんが、起業するとサラリーマンのように同僚はいません。
特に最初は経営のことや、キャッシュの悩みを相談できる友人も知人もいません。
本当に経営者は「孤独」なのです。
こんなとき、事業内容を理解してくれている「先輩」「経験者」が相談に乗ってくれると、、、非常に心強い。
地味ですが、ひとりでゼロから起業すると苦労する部分が、前もって解消されている。
これがフランチャイズを選ぶ利点と言えます。
(フランチャイズを成功に導くポイントについてはこちらが参考になります。)
3: フランチャイズの問題点
利点があれば問題点もあります。
これはどんなことでも同じです。
全てにOKなことはありませんからね。
特に起業では、全てOKなことはありえません。
結論から言うと、
「やってみないとわからない」
これが起業だということです。
問題点1
問題点として最初に浮かんでくるのは
「フランチャイズだからと言って、必ず成功できるとは限らない」
あなたと同じフランチャイズを始めた人が成功していても、あなたが必ず成功できる保証はありません。
その理由は、立地条件かもしてません。
地域におけるフランチャイズ本部のブランドイメージかもしれません。
理由は様々ですが「必ず」ということは「無い」のが問題点です。
問題点2
自由度が少なくなります。
フランチャイズ本部との間で契約を交わしていますから、やっていいこと、ダメなことが決まっています。
「自分はこうやりたいから」
というのは、必ず本部へ確認する必要があります。
フランチャイズ加盟店は、あなたのお店ではありますが、全てをあなたが自由にできるわけではありません。
だから、完全な独立起業という考えは持たないでおきましょう。
半分は起業しているけれど、半分は縛られている。
こういう感覚が受け入れられるなら問題ありません。
しかし、
「全部自分で自由にやりたい」
という性格の人や考え方の人には、フランチャイズは向きません。
問題点3
あまり言いたくはありませんが、フランチャイズ加盟店は「下請け」です。
「下請け」を売りにしている本部もありますが、下請けということは率先して営業しなくて良い反面、自分のお客さんを持っていないことになります。
この仕組みは本部頼りになり、いくら儲けても自動的に本部へ利益を吸い取られる。
そんな仕組みが出来上がっているということです。
コンビニオーナーさんはご理解いただけるかと思いますが、多店舗のオーナーにならないと、いつまでも自分がお店に出て働き続けることになります。
- 働き続けるのが大好き
- 多店舗経営するオーナーを目指す
あなたがどちらかなら、問題にならないと思います。
でも、1店舗だけで、そこそこ働いて、サラリーマンより高収入、、、
と考えておられるなら、縛りのある中で働き続けることになります。
自分の性格や理想の将来と照らし合わせて考えておきたいところです。
4: 幻想にするか儲けるか
フランチャイズ加盟店からイメージする「成功」。
この「成功」を幻想にするか、実際に「成功」して儲けるかは、次のようなところで分かれます。
儲ける
儲けるには、多店舗経営のオーナーになることでしょう。
あなたが始めた加盟店で利益を上げ、2店舗目、3店舗目と展開。
それぞれの店舗には、店長を置き、自分はオーナーとなる。
自分がお店に出て働くのではなく、経営者(オーナー)というポジションを目指すのが「儲ける」方法でしょう。
コメダ珈琲とかの展開も、こんな方法で行っていますね。
幻想
そうではなく、自分がいつまでも現場にいるのなら、儲けるのは幻想です。
仮に儲かったとしても、時間や場所の自由はありません。
自分がお店に出ていないと収入がないのですから、、、
家族と旅行、、、なんて、夢のままです。
多店舗経営を目指すため、最初の店舗を自分が軌道に乗せる。
その為なら良いですが、いつまでも自分がお店に出て稼ぐのでは、永遠に「下請け」なので、大きな成功は望みにくいです。
5: 本当に縛られない独立とは
フランチャイズではよく「自由」という言葉が使われます。
しかし、本当の自由。例えば、
- 場所
- 時間
- 収入
こういったこと全てに「縛られない」で独立しようと思うなら、方法は2つです。
- フランチャイズを選ばずにゼロから起業する
- フランチャイズで多店舗オーナーになる
1店舗だけのフランチャイズオーナーでは、自分がお店に出ることになります。
仮に自分が経営だけに専念したとしても、1店舗では収益の安定性を見込めません。
「経営に関して“1”はもっとも良くない数字」
とは、アメリカの有名なマーケッターである「ダン・ケネディ」の言葉です。
1店舗のオーナーの場合、そこでしか収益が見込めませんから、翳りが出たときに手の施しようがありません。
他からキャッシュを手配することができない時でも、毎月本部へはロイヤリティを払うことになります。
これって苦しいですよね?
だから「1」は良くないと言われています。
あなたが、
ある程度の縛りがある中で、自分の力が発揮できるならFCを選ぶ。
縛りがあるのは窮屈でイヤなら、ゼロから起業を選ぶ。
この部分を良く考えて、自分にとって
「フランチャイズが合っているのかどうか」
もう一度、考えてほしいと思います。
6: まとめ
いろいろとお話しましたが、フランチャイズは本部との縛りを味方にできる人なら最高の選択肢でしょう。
ゼロから起業するよりも短期間に収入も確保できるでしょうし、右も左もわからない中での起業なら、なおさら頼もしい存在です。
ただ、これだけは覚えておいてほしいのですが、
「10年先の将来を描いておく」
これが必要です。
- 10年先もフランチャイズを続けていたいのか
- 多店舗経営したいのか
- 契約更新でフランチャイズを辞めて、他のことに注力するのか
理想の将来を描いておき、その目標へ到達するために、今は何をすることが大切なのかを明確にしておきたいですね。
今までにも、フランチャイズオーナーさんから相談を受けたとき、もっとも多いのが
「気がつくと10年経っていて、これからどうしようか迷っている」
というものです。
10年後に
「フランチャイズ加盟店を選んで良かった」
と言えるように、理想への目標を明確にしておくことが、フランチャイズの仕組みを味方につけて「儲かる」オーナーさんなのだと思います。
この記事が、フランチャイズの仕組みを使って起業を考えておられる、あなたのお役に立てれば幸いです。
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